日韓合作映画 「あなたを忘れない」
http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail/tymv/id326060/
こういう片田舎のブログにでもその記録を残し、ググればキャッシュにひっかかるようにでもしておかないとこの映画、数年後には絶対禍根となる恐怖を感じたので、久々にブログることにした。( ゚Д゚)
上記リンクにあるユーザーレビューはまさに戦場と化している。
否定派と肯定派が喧々諤々に言い争いをしており、もはやレビューではなくなっている。
裏返せばそれだけ、この作品は政治色を見出せるものだ。
肯定派の意見はほぼどれも同じで、「自分は作品として感動できた、反日にかこつけこれを否定する連中はおかしいのではないか」だ。
まずは作品としてこれを否定してみようか。
この作品の最大の欠陥はまさに「事実を元にした」にある。
作品の筋をおおまかに言えば、
・主人公が異国で少女と恋におちる
・少女の父親や異国の住民から差別をうける
・しかし主人公はあくまでも前向きに、夢に向かい生きようとする
・不幸な事故により主人公が死ぬが、その志は少女に、周りの人々に受け継がれる
となる。
はっきり言うと、この筋であれば主人公は死ぬ必要がない。
むしろ死なず、その行動により周囲の人々が徐々に変わり始めるようにすれば、観客により深い感慨を与えうる。最後に父親が主人公に対しわずかに理解を示せば、心地よい余韻を与えられたであろう。また現実のメタファーとしてもその方が道理となる。人はそう簡単に、都合よく感動的に死ぬものではないからだ。
が、最後に主人公を安易に殺すことで、とても安っぽい筋に落ちぶれてしまっている。
ではなぜ死んだか、なぜ殺したのか。
現実では主人公は死んだからである。
製作は「現実を元にしたフィクションである」と断わっているが、そうであれば結末も変えればよかったのである。現実という縛りに拘ってしまった結果、2流シナリオライターが書いたような内容となったわけだ。
ここで、ちょっと面白い問いかけをしてみようか。ぜひ考えてみてほしい。
もし現実では李さんが死んでいなければ、この映画は作られただろうか?
そう、李さんは死んでいなければならなかったのである。
誰も指摘しないようだがこの映画での最大の問題点は、李さんの死が殉死となっていることなのである。
なんに対しての殉死か?
当然、日本で受けた差別による殉死である。どのような差別なのかは、映画の中でたっぷりと語られている。
そして更なる問題は、現在の日本でこれほどの差別を受けることは考え得ないということだ。タクシーに轢かれ、韓国人だとわかったらひき逃げされただと?これが「事実に基づいて」いるなら、映画とかいう前にそいつを法廷に引っ張り出せ。なあに、製作側がする必要はない、その断片情報を与えればオレら2ちゃんねらが徹底的に祭り上げてやるから。( ゚Д゚)
後世こういう映画はおうおうにして、描写は現実的であると理解される。つまり後世の何も事実を知らない人間がこの映画を見れば、「これが作られた2006年の頃、日本では韓国人がこれほどに差別されていたらしい」と解釈することは十二分に考えられるのである。
だから後の人々のため、そしてオレとお前らの名誉のために声を大にして記しておく。
「あなたを忘れない」の差別描写は、あり得ないほど誇張されている。2006年現在、韓国人が日本でこれほどの差別を受けることは決してない。
製作側は、「事実を元にしたフィクション」と喧伝し李さんの死を差別による殉死として扱うことで、この歪曲に肉付けを行い、事実だと錯誤させている。つまり、プロバガンダ映画である。
・・・願わくば、このブログがいつまでもググってヒットしますように・・・(´・ω・`)